
ファッションの意味とその由来を解説します。
人はファッションの意味を含んだ衣装を身につけるようになってから、衣装は人間と一体化したもので、その人そのものだというふうに捉えられるようになりました。しかし個人個人が衣装によって自分の意思を表現する一方で、時には社会に順応しなければ安心できないという矛盾した二つの心理的な欲求が常に存在しているのです。具体的に述べると、人より目立ちたくて、周りの人とは違う着こなしを楽しむかと思えば、公の場や冠婚葬祭などでその場の雰囲気を壊さないような格好をすることで、社会に順応し安心感を得ようとします。つまりファッションには相反する心理的な欲求が常に働き続けているのです。
人は平凡でありふれたものばかりに囲まれると、つまらなく感じられるようになり、自分の存在を強く示したいとその平凡な世界から抜け出したいと思うようになります。つまり、自分が自分らしくいるための孤立化を求めるわけです。新鮮さを求めた結果、ファッションが芽生えます。そして新しいスタイルが広く知られ、多くの人々から共感を持たれるようになると、それだけそのスタイルを真似したいと思う人が出てきます。このような行動がどんどん拡大して行ったときに、初めてファッションが成立するわけです。しかし、ひとつのスタイルがファッションとなり、広く人々に定着していくと、再び孤立化を求め、次の新しいスタイルを追求していくようになるのです。このとき、すでに発生したファッションは流行遅れとされ、廃れていくようになります。
ファッションの発生から消滅(流行遅れ)までというのは、同じパターンの繰り返しなのです。まず、新しいスタイルを求め、人々から受け入れられるようになってファッションが「発生」します。その後、その新しいスタイルが「伝播」され、多くの人に伝わり「拡大」して行きます。それがやがて「頂点」にまで達すると、また次の新しいスタイルを求め始めることから、これまでのファッションが「衰退」していき、最後には「消滅」するのです。このような過程をファッション・サイクル(ファッションの周期)と呼んでいます。実際に、ファッションが発生してから消滅するまでの時間的な長さをはかることは難しく、正確には分かりません。ただ、この時間的な長さは年々短縮化の傾向をたどっています。